2013年9月17日火曜日

IB Diploma: Japanese A-Part1「ロミオとジュリエット」について

現在、Japanese A Class(Grade11)の生徒達は
Book Listの中から最初の作品である「ロミオとジュリエット」について学んでいます。












ロマンティックコメディとしてあまりにも有名なこの作品ですが
生徒達の最初の感想は、物凄く言い辛そうに
「・・・・先生、この話ってすごく下品じゃない!?」でした。

・・・・そう、教師である私も2年前に初めて読んだ時の感想は同じものでした。

高尚なイメージのあるシェークスピアですが、何故部分的に非常に下品になるのか、
それはシェークスピアを学ぶ生徒達に毎年、最初にする質問です。

今年も、もちろん聞いてみました。
何人かの生徒は頑張って自分の意見を発表してくれましたが、
多くは困った顔をして下を向いたり、「何でか全く分からん」との返事でした。

シェークスピアがその答えを書き残していない以上、彼が何を意図して下品な場面を
作ったのか、推測するしかありません。

エリザベス1世が下品なジョークを好んだからだと言う説もあります。

しかし私は毎年、生徒に1つの答えとして




このDVDのメイキング映像の一部を見せています。









シェークスピアの劇場では非常に貧しく教養の無い下層階級の人々と
教養のある裕福な上流階級の人々が同時に鑑賞を行っていました。
上流階級の知識レベルに芝居の内容を合わせれば、
下層階級の観客には難解なものとなり、
下層階級の人々に合わせれば、下品で教養の無い内容を上流階級の人々は
受け入れないでしょう。
その両方を満足させるために高尚な場面と下品な場面を使い分けたのではないか、と
この映画の監督はメイキング映像の中で語っています。

このディスカッションとインタビューを見ることを通して、生徒達は
戯曲の1つの特徴である「観客を楽しませる工夫」を意識して、作品を読むようになります。
内容を理解するだけではなく、作者の表現意図や工夫を読み取ろうとすることが
この文学クラスにとって非常に大切なことです。

今週は第2幕を終え、第3幕に入っていきます。
生徒達が若い感性で「ロミオとジュリエット」をどのように読み解いていくのか
楽しみにしています。




5 件のコメント:

  1. ジュリエット♡

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    1. ズバリ貴方のジュリエットは誰ですか?

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  2. 下品なお話、大好きです。

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  3. 今まで読んだ本の中で一番下品です。。

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  4. 私はシェイクスピア殿の素晴らしさにまた感動しました。この「ロミオとジュリエット」は歴代最高の劇と言っても過言ではないでしょう。ストーリーの内容はもちろん、キャラクター一人一人の個性も実に興味深い。話の中ではロミオの切ない恋や二人の禁断の恋など複雑な内容である。しかし、「恋」と言うメインテーマがある中、「友情」や「紛争」などの深いサブテーマがある。シェイクスピア様はこの様に複雑なトピックを上手くストーリーに含めてる。現在読んでいる本は和訳されてる事もあり原作とは異なり少し欠けるものを感じるが読んでいて凄く面白い。何故だろうとずっと自分に言い聞かせていたが読んでいくうちにその理由が徐々に明らかになってきた。ストーリーは愛がテーマだが所々下品で下ネタが多数見られる。これは個人的には凄く面白くて授業中にこっそり笑う時もある。そういう感じに私を笑わせてくれるシェイクスピアに感謝の気持ちを込めて敬意を示したい。それに加えて話の内容がすごく面白い。読んでいてロミオとジュリエットの恋の行方やモンタギューとキャピュレットの間にある憎しみが面白くてしょうがない。そう、シェイクスピア君はストーリーの展開の仕方が非常に上手い。だからこそ400年経った今でも絶大な人気を誇り世界中で愛されてるアーティストなのだ。今では村上春樹などの有名作者がいるが彼らシェイクスピアに比べるとまだ未熟である。今後さらなる有能な作者が多数現れるだろがシェイクスピアを超える者は今後とも現れないだろう。私達の責任はシェイクスピアが残した名作を次の世代へその素晴らしさ教える事である。人間はシェイクスピアを殺してはならぬ。

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